workshop of making Scale No.52 in Neba Village

長野県の根羽村で、「流域ものさし作り」のワークショップを行いました。参加したのは、根羽村と隣の平谷村の小・中学生、計約20名。ワークショップでは、矢作川流域の木々17種を使った「流域のものさし」を、地元の子供たちに作ってもらいました。「流域ものさし」は、長さは矢作川の100万分の1で、上流から下流の植生をイメージして樹種を配置します。

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ものさし作りに先立って、「流域」について、写真やイラストを使って子供たちに説明。矢作川上流の根羽村の山や木々が豊かであることは、流域すべての人たちの豊かな暮らしにつながるんだよ、ということをお話しさせていただきました。

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そして、流域で育った木の板数種類と、それぞれの葉っぱのイラストが描かれたプレートで、樹種あてクイズも。

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30分ほどの流域ミニ講座のあと、ものさし作りを開始。

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根羽村森林組合で木工を担当している小野さんが用意してくれた材料と治具を使い、1人3本のものさしを製作しました。

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木のパーツを順番に並べ、ボンドで接着し、はたがねで留めていきます。

最初は慣れずに手間取っていた子たちも、だんだんと上手に接着できるようになりました。早く終わった子が、他の子を手伝う姿も見られました。

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中には、長方形のものさしではなく、オリジナルの形を作る子も。小野さん作の治具も無視して、積み木のように積み上げていったり・・・。

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サンダーで磨いて、長さを揃えたら(この工程は危ないので、大人が担当)、最後に目盛りのスタンプを押して完成です。

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ワークショップを終えての、子供たちの感想は、「最初は難しかったけど、最後はきれいにできてよかった」、「木の種類がいろいろあって、一つ一つ、色も違うことがわかった」などなど。みんな、完成したものさしを見て、満足した様子です。

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最後に、「わたしの流域ものがたり」と題して、子供たちへ宿題をわたします。流域が描かれたA4の紙に、自分が行ったことのある思い出の場所や、行ってみたい場所を書き込みます。さらに、ものさしにもその場所をプロットして、自分だけの「流域ものがたり」を作ろう、というものです。この「わたしの流域ものがたり」を、下流の地域の子供たちや、他の流域の子供たちと交換して、地域同士の交流をする、というのが、この宿題の最終的なゴールです。

この「わたしの流域ものがたり」は、根羽村森林組合の今村さんの発案。夏休みの宿題ということなので、どんな「流域ものがたり」ができるか、楽しみです。

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「流域」の考え方を知ると、まず、下流の都市部と上流の山間部がつながっていることや、森や木の大切さに気づきます。さらに、既成概念で考えると「県境にある小さな村」が、流域思考では「始まりの場所」や「中心」になるというふうに、大きな転換があることを発見できます。

これからも、こうした「流域のものさし作り」のワークショップを通して、流域思考の入り口のストーリーと、地域の木や自然が好きになる原体験の両方を、一緒に届けたいと思っています。

planning & cordinate : 今村豊 (根羽村森林組合) / Yutaka Imamura (Neba Village Foresty Union)
technical advisor : 小野隆治 (根羽村森林組合) / Ryuji Ono(Neba Village Foresty Union)
facilitator : 小粥千寿、袴田彩子 / Chizu Ogai, Saiko Hakamata
concept & design : 小粥千寿 / Chizu Ogai
close collabotation with : 根羽村森林組合 / Neba Village Foresty Union
date & place : 2016.6.4 / 根羽村老人福祉施設しゃくなげ

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