【Excursion in Hamamatsu 前編】二俣地区

大学のコースの学生を連れて、浜松への日帰りバスツアーを開催しました。名古屋駅からバスで2時間半、午前中は浜松市天竜区にある二俣地区を訪ねました。

到着してまず、二俣にあるクローバー通り商店街へ。商店街の入り口近くにある、地元の食材を取り扱うマルシェで、お昼のお弁当を選びます。ご厚意でお昼の時間まで取り置きをしてくださいました。

その後、商店街界隈をそれぞれ自由に歩き、気になった風景やモノを記録するプチ・フィールドサーベイを実施。休日は観光客で賑やかなこともあるのですが、この日は思ったより閑散としていて、静かな街歩きでした。

1時間ほどサーベイをしたあと、養蜂家ではちみつの製造・販売を手がける塩見亮太さんのお店を訪ねました。

塩見さんとは、塩見さんが「養紡屋(ようほうや)」として活動を始めた当初から時々お会いしていて、「養紡屋」が抗生物質不使用・非加熱で、人にも環境にも優しい、浜松産ハチミツのブランドとして成長していく様子を拝見していました。数年前にインタビュー取材をさせていただいた時にも、ミツバチを飼うというよりは、彼らを大切なパートナーのように捉え、世話をしている姿が印象的でした。

これまではオンラインショップのほか、イベント出店や卸・委託販売のみでしたが、初の実店舗を今年の3月にオープンされました。二俣地区のクローバー通り商店街の入り口近くにあるお店には、さまざまな種類のはちみつや、はちみつから作られた「ミード」というお酒などが並んでいます。はちみつは瓶詰めされたものだけでなく、持参した容器で量り売りでも購入することができます。

学生たちは2グループに分かれて順番にお店とその奥の工房を見学させていただきました。お店の壁を一部くり抜いて、その中にミツバチが棲んでいる様子をガラス越しに見ることができるようになっていて、塩見さんとミツバチとの距離の近さがお店の設えにも現れていました。

簡単に商品などの説明をしていただき、「なぜみかんの蜜だと分かるのか?」といった学生からの素朴な疑問にも分かりやすく答えてくださいました。

お店見学を終えお弁当を食べて、二俣協働センターへ移動。塩見さんのレクチャーが始まりました。

お話の中では、養蜂やはちみつ作りのことだけでなく、ご自身の学生時代の就職活動のことから養蜂との出会い、そして現在に至るまでのお話を丁寧な言葉で語ってくださいました。

「迷ったら、“人”だ」

とは、塩見さんの人生訓。

興味を持って、まずはいろいろな人に会いにいってみる、そうして人とのご縁が繋がって、最終的に塩見さんの人生に大きな影響を与えることになる養蜂の師匠と出会ったというお話は、こうやって聞くとドラマチックですが、改めて自分の人生にも重ねてみると、確かにそうだ、と納得したのでした。

20歳そこそこの学生たちにとっては、今はまだリアリティがないかもしれませんが、いつか「あ、これがあの時聞いたことなのかな?」と思えるような瞬間が巡ってくるのだと思います。

塩見さんのレクチャーを終えて、バスで二俣地区をあとにしました。

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