矢作川の河口から上流へ〈後編〉

矢作川流域を遡る旅。後編は、秋も深まりつつある10月末に決行しました。

今回は、「矢作川の流域モノサシ」プロジェクトが実現するきっかけとなったキーパーソンで、日本全国スギダラケ倶楽部(通称「スギダラ」)天竜支部の袴田さんが同行してくれました。

まずは、前回私が河口から遡って、最終的にたどり着いたあたりを目指します。目指していたのですが、途中で立ち寄った道の駅・藤川宿で、新鮮な農作物に釘付けになり、30分ほどとどまってしまいました。さらに、五平餅好きの袴田さんのススメもあり、普段はあまり食べない五平餅をついつい口にして、お腹もかなり満たされました。

五平餅を食べ終わってほっと一息ついた頃、「今日の目的は道の駅ではない!」ということにはたと気付き、二人で気合を入れ直し、再び車を走らせます。矢作川沿いの道に出たのは11時頃だったでしょうか。川沿いの山を眺めてみても、ところどころに紅葉が見えるので、広葉樹が結構あるのだな、ということがわかります。一体何の木が生えているのか、気になります。

さらに進むと、矢作川沿いの温泉地・笹戸温泉に到着。田んぼがあったりして、のどかな風景が広がります。

お昼休憩を取り、さらに車を上流方面へと走らせると、ダムが出現。矢作第二ダムだそうです。

そして、もう少し行くと奥矢作湖に到着。奥矢作湖は矢作第一ダムによってできたダム湖。川の流れに合わせて、全体が「く」の字型をした湖です。湖畔の一部には千本以上の桜並木があるようで、観光名所だそう。愛知県では佐久間ダムのダム湖に次ぐ大きさの人造湖だそうです。浜松からも近いのに、これまで全然知らなかった奥矢作湖の情報。来年の桜の時期などに再訪できたらいいです。

さて、奥矢作湖を過ぎると、一気に川幅も道も細くなり、いよいよ源流のある根羽村に近づいてきます。早い!
道は対向車とすれ違えないような細い箇所もあり、少し注意が必要です。

その後、押山ダムという小さなダムに出会います。これまで見てきたダムとは雰囲気が違います。なだらかなコンクリートの斜面があるダム。ダムの上下に溜まった水の感じも、なんだか美しい。ウェブなどで調べたところ、どうやらダムではなく「堰(せき)」というものに分類されるよう。堤高15m以下は堰になるそうです。

押山ダムを後にして、さらに車を走らせます。いよいよ「根羽村」の標識を通過しました。

続いて、根羽村内の矢作川沿いにある「月瀬の大杉」を見学。全国第6位、長野県第1位の巨木だそうで、樹齢は推定1800年ほど。想像を超える年月とその存在感にエネルギーを分けてもらった気がします。最近、大杉付近の矢作川を渡る吊り橋も整備されたようで、吊り橋からは美しい紅葉が見られました。

大杉見学も終わり、根羽村の中心部へ向かいます。最終目的地の根羽村森林組合に立ち寄り、置き土産をおいて、浜松を目指して再び車を走らせました。