矢作川の河口から上流へ 〈前編〉

先月の根羽村訪問から約1ヶ月。矢作川のモノサシをデザインする前に、もう少し矢作川を見なければ、ということで、出かけてきました。前回は水源を見たので、今回は、まずは河口を目指します。矢作川は茶臼山から流れ出て、知多湾に注ぎます。河口は常滑市と西尾市の境界となっています。

河口は、水源とはまた別の意味での、近づきにくさを感じました。堤防の脇には畑や田んぼが広がっていて、狭い農道はあるのですが、どの農道を行けば堤防に上がれるのか、よそ者にはなかなか分かりません。自転車で行けば、もっと一直線に近づけたかもしれませんが、車だと本当に通れるか、行き止まりだったら戻れるか、など、ドキドキしながら慎重に進みました。

やっと上がった堤防から河口を見渡します。まさに、矢作川の水が、海に流れ込む場所です。この日は風も強めで、川の水もやや波がたっていました。ただ、天気は快晴だったので、遠く上流の山まで見渡すことができました。

河口のあたりは、あさり漁をするエリアなのだそうです。やはり海水と淡水が混じっているのですね。

ひとしきり河口を歩いたあとは、車で川沿いをさかのぼります。これがまた一苦労で、なんとか川に近づこうと試みるのですが、やはり細い農道や路地が立ちはだかり、川を目にすることはできないまま、少しさかのぼりました。

そして、中流域(岡崎市〜豊田市)にさしかかったあたりで、やっと、川沿いの道を発見。その時点では、川幅はかなり狭くなっており、天竜川に比べると、長さも半分程度なので、コンパクトですね。

もう少し進むと、ダムに遭遇。ダムのすぐ下流は水量も少なく、小川状態ですが、上流側はしっかりと水をたたえて、湖のよう。この辺からは、ずっと川の東岸を走っていたのですが、川沿いには美しい広葉樹が生い茂り、もう少し季節がすすめば、すてきな紅葉が見られそうです。

さて、根羽村を目指して出発しましたが、下流付近で右往左往していたこともあり、豊田市の藤沢町あたりで日暮れが迫ってきました。今回はこのあたりで浜松へ引き返すことに。川の全長からいくと、だいたい半分ちょっときたところです。