「FOOD & BABY 世界の赤ちゃんとたべもの」展 おわりました。

maru communicate きひらまりこさん主催の展示「FOOD & BABY 世界の赤ちゃんとたべもの」展が、無事に終了しました。会期中は、小さなお子さん、赤ちゃんを含め、たくさんの方たちにご来場いただき、ありがとうございました。

来場者のみなさんと会場でお話しさせていただいたり、アンケートを読ませていただいたりして、楽しんでもらえただけでなく、驚いたり、考えたり、共感したり、新たな疑問・興味が湧いたり、、、。展示を通して、いろいろな「何か」を感じていただけたことがわかり、展示の構成・デザインに携わらせていただいた身として、とても充実した思いで最終日を迎えることができました。

今回、きひらさんから展示のお話しをいただいたのが、2018年の夏。それから約半年間、きひらさんの取材やリサーチと平行して、展示の準備を進めていきました。

きひらさんからいただいた情報は主にはインタビューやアンケートをまとめた文字情報。展示を考える上では、その一次情報を大切にしながらも、多くの人に伝わる表現を探りました。

今回展示した内容は、世界に住む、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちの、離乳食にまつわる実体験や考え、感情で、あくまで個人の事例。国や文化のスタンダードというわけではありません(それでも、日本人の回答者はスタンダードに従う傾向が強いようですが・・・)。それだけ、離乳食や子育て、食文化はほんとうに多種多様で、「これが正しい」というものはないということです。そして、今回はまさに、それを伝えるための展示でもありました。

世界の数億・数十億分の一の事例を見てもらうことで、見る人それぞれが想像したり、考えたり、共感する「余白」を残すこと、そして、多様でパーソナルである、という情報の「質」を正しく伝えることが肝心で、きひらさんの言葉を借りるならば、”discursive space(まあいいや、と思える心の空間)”が、展示全体から伝わればと思いました。

その上で、初めての方にも無理なく、楽しんで見ていただけるよう、情報の量や表現を調整し、展示としてのまとまりと強さのあるものにできているか、作業をしている間は自問自答の繰り返しでした。「編集」という側面が大きかった一方、「編集しすぎないように」ということを常に頭に置いていたような気がします。

展示終了から1週間。片付けをはじめ、まだまだやることが沢山ですが、ぜひまたどこか別の場所で「FOOD & BABY」展を開催できたらと思います。また、展示制作のプロセスやそこでの発見などについても、また別の機会に改めて書きたいと思います。

終わりになりましたが、会場に足を運んでくださった皆さま、取材や展示準備・運営にご協力いただいた皆さまに改めて感謝いたします。そして、半年間楽しく一緒にプロジェクトを進めさせてくれたきひらさんにも、心より感謝です。ありがとうございました!