京都市立芸大プロダクトデザイン専攻「お正月飾り」

講師を担当している、京都市立芸術大学プロダクトデザイン専攻の後期実習が先日、最終プレゼンでした。

テーマは「お正月飾り」。何か用途のある道具ではなく、ただそこに飾っておくことが目的であり存在意義である「お正月飾り」は、飾りに込められた意味や歴史的・文化的背景など、情緒的な「ものがたり」をどう表現するかが大切です。

学生の一人は「だるま」をモチーフに和三盆でお菓子を作りました。だるまは掌におさまる小さなサイズで、上下2つのパーツからできています。それぞれ、数種類の色があり、色が持つ意味から、これを手にする人がその年の願いや抱負をだるまに込めるというもの。

上下の色の組み合わせで様々なバリエーションができ、選ぶ楽しさや飾る楽しさが増えるところがポイントです。

別の学生は、お正月の時期に飾られる「葉牡丹」をモチーフに、お正月用の特別感のある紙皿をデザイン。使う前は数枚の紙皿が花のようにまとまっていて、使う時に1枚1枚バラしていきます。

花びらの規則性がありながらも「ゆらぎ」のある形と、お皿としての使いやすいサイズ感・くぼみ具合が結構うまく出ていて、実際に使えそうな雰囲気でした。

どちらも、プロダクトのディテールとしてはまだまだ改善の余地ありですが、「お正月飾り」という課題の答えとして、一定のクオリティが出ていたような気がします。

他にも、いろいろと面白いデザインがありました。一部の作品は2月8日〜11日まで開催される京都市立芸術大学作品展にて展示予定です。お近くの方はぜひ足を運んでみてください。