静岡大学 地域フィールド科学教育センター 訪問記2

雑木林を歩いていて、やはり気になるのが、鹿による被害。最近、林業をされている方々からはよく聞きます。

こちらの雑木林でも、ササはもちろん、樹皮も次々と食べられているとのこと。樹皮をある一部分だけでも、ぐるりと一周食べられてしまった木は、葉で作られた養分が根元に届かず、やがて立ち枯れてしまいます。そんな状況でも、植物の強さと知恵を見せられた場面がありました。下は、大きな樹木が立ち枯れて、根がその周りの土壌ごとひっくり返った様子。盛り上がった部分に、草花が成長しています。

さらに進んだ状態のものだと、↓のように草だけでなく、樹木も育ってきます。

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こんな風に、少し盛り上がったエリアでは、鹿など外敵から守られた“安全地帯”となり、植生の更新が進むのだそうです。

鹿のほうは、数は相変わらず増えているものの、ある調査では個体のサイズが小さくなってきている、ということも報告されているそうです。山林での食糧不足が原因なのではということですが、鹿は鹿なりに、必死に環境に適応しようとしているのでしょう。つづく。